ソウルで受ける甲状腺手術の傷跡治療:首の傷跡はレーザーと傷跡修正のどちらが合う?
どちらが合うかは、傷跡がなぜ目立つのかによって変わります。線は細いのに赤い、または少し盛り上がった傷跡なら、血管レーザーやフラクショナルレーザー、注射などの切らない治療をまず検討します。幅が広がった傷跡はレーザーでは狭まらないため切り取って深い層から縫い直す傷跡修正を、飲み込むと引き込まれる傷跡は癒着の解除を先に考え、残る色と質感はその後レーザーで整えることがよくあります。ソウルでの治療をお考えなら、傷跡の写真とこれまでの治療歴をお送りいただければ、どの方法が合いそうかをご案内します。
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甲状腺手術の傷跡は、なぜ首の下に横線で残るのですか?
甲状腺は首の前側の下のほうで、気管を包むように付いている蝶の形の臓器です。首を開いて行う甲状腺手術では、ふつう首の下のほうの皮膚を横に切開します。横に切るのは、首にもともとある横じわと平行にするためです。傷跡修正の文献は、目立ちにくい傷跡の条件として、細い線であること、皮膚のしわや折れ目と平行であること、周りの皮膚と色や高さが近いことを挙げています。1
一方で、首は傷跡が目に入りやすい場所でもあります。服で隠しにくく、顔を上げたり首を回したり飲み込んだりするたびに、皮膚が伸び縮みします。同じ総説は、伸びやすくよく動く場所では傷跡の幅が広がりやすく、糸をかける位置に気を配り、抜糸を遅らせることが予防に役立つと説明しています。1
首の前の皮膚の下には、薄い脂肪の層と広頸筋(首の前を覆う薄い板のような筋肉)があります。その下にある帯状の細い筋肉の奥で、甲状腺が気管の前を包んでいます。甲状軟骨(のどぼとけをつくる軟骨)は甲状腺のすぐ上にあります。手術は脂肪の層と筋肉の層を通って甲状腺に届きます。このため治る過程で、傷跡が皮膚にとどまらず、筋肉の層や甲状軟骨の側と癒着することもあります。このように深く癒着した傷跡は、飲み込むときに一緒に引き込まれることがあります。6
首の傷跡にかかる力
わかりやすく言うと、首の傷跡は「しわに沿った線」という有利な条件と、「いつも動く場所」という不利な条件をあわせ持っています。この2つの間で傷跡がどんな形で落ち着いたかが、治療を選ぶ出発点です。
私の首の傷跡はどのタイプですか?
「レーザーか、縫い直しか」を決める前に、今の傷跡がなぜ目立つのかを分けて考えます。この総説は、目立つ傷跡を、幅が広い傷跡、赤いまたは色が濃い傷跡、盛り上がったまたはへこんだ傷跡、しわを横切る傷跡に分けています。1 甲状腺手術の傷跡でよく見られるのは、次の4つです。
首の傷跡が目立つ理由で見ると
1細いのに赤い
血管レーザー・フラクショナルレーザーで赤みと質感を先にみます
レーザー
2厚く硬く盛り上がる
注射・レーザーで高さを下げつつ、ケロイドかどうかを確認します
注射・レーザー
3平らだが幅が広い
レーザーでは幅が狭まらないため、切除して縫い直す修正を検討します
傷跡修正
4飲み込むとへこむ
下の組織との癒着をはがし、必要なら充填や縫い直しをします
癒着の解除
- 赤い傷跡:線は細く平らですが、赤みが長く残っています。傷が治る過程でできた細い血管によるものです。
- 厚く盛り上がった傷跡:肥厚性瘢痕(傷の線に沿って厚く硬く盛り上がった傷跡)です。かゆみやつっぱり感を伴うことが多いです。もとの傷の境界を越えて横に広がる場合は、ケロイドを考えます。
- 幅が広がった傷跡:盛り上がってはいませんが、治る間に両側の皮膚が引っぱられて幅が広がっています。白っぽい、またはつやのある帯のように見え、少しへこんで影ができることもあります。
- 引きつれる傷跡:傷跡が下の組織に癒着していて、くぼんで見えます。飲み込むときに一緒に引き上げられたり、首がつっぱる感じがしたりします。
実際には、1つの傷跡に2〜3つが混ざっていることがよくあります。赤くて盛り上がっている、幅が広がっていて癒着もある、といった具合です。つまり「レーザーか縫い直しか」は、どちらか1つを選ぶ問題というより、何を先にするかという順番の問題であることが多いのです。ケロイドと肥厚性瘢痕の見分け方は、ケロイドと肥厚性瘢痕の見分け方ガイドで詳しくまとめています。
どんな場合に厚い傷跡ができやすいですか?
甲状腺手術を受けた人のうち肥厚性瘢痕ができる割合は、研究によって違います。韓国のある病院が1,141人の診療記録を振り返った研究では13.9%で、およそ7人に1人でした。3 一方、甲状腺手術後に皮膚科を受診した4,238人を分析した研究では35.3%でした。2 こちらは皮膚科に来た人だけを集めた研究なので、手術を受けた人全体の割合とは考えにくいものです。
1,141人の研究では、年齢が若いほど、BMI(身長に対する体重の多さ)が高いほど肥厚性瘢痕が多くみられました。かゆみ、つっぱり、硬さ、癒着(傷跡が下の組織とくっつくこと)といった症状がある場合も同様でした。逆に、手術後早めにステロイド注射やノンアブレイティブ・フラクショナルレーザーを受けた人や、予防用の塗り薬・外用剤を使った人では、肥厚性瘢痕は少なくなっていました。3
4,238人の研究では、複数の要因を同時に考える統計の方法を使い、次のような場合に肥厚性瘢痕が多いことがわかりました。2
- 年齢が若い
- 男性
- BMIが高い
- 胸鎖乳突筋(耳の後ろから鎖骨に向かって斜めに下りる太い筋肉)が目立つ
- 傷跡が胸骨上のくぼみ(左右の鎖骨の間、首の付け根の中央のくぼみ)から1cm以内にある
- 以前にケロイドができたことがある
数字で見ると、胸骨上のくぼみから1cm以内にある傷跡は、そうでない傷跡に比べて肥厚性瘢痕になるオッズ(確率に似ているものの同じではない統計の値)が約4.3倍でした。ケロイドの既往があると約2.8倍、胸鎖乳突筋が目立つと約2.5倍でした。胸骨に近い傷跡とケロイドの既往があると、肥厚性瘢痕ができた後の治療に使われたステロイド注射の総量も多くなっていました。男性に多いという結果はそれまでの研究と異なり、研究者は男性の首の皮膚にかかる張力が強いためかもしれないと考えています。2
ただし、どちらの研究もすでにある診療記録をさかのぼって調べたものです。こうした条件が傷跡を厚くすると証明したわけではありません。すでにできた傷跡の位置を変えることもできません。それでも、若い年齢、ケロイドの既往、胸骨に近い傷跡のように条件がいくつも重なる場合は、傷跡が赤くなったり盛り上がり始めたりしたときに、待つだけでなく早めに診てもらう理由になります。
赤い傷跡:待つべきですか、レーザーを受けるべきですか?
手術後数か月、傷跡が赤いのはよくあることです。傷が治る間に新しくできた細い血管が透けて見えるためです。傷跡が完全に落ち着くまでには、ふつう12〜18か月かかります。1 その間も傷跡は変化し続け、赤みが自然に薄くなることもあります。ですから、赤いだけで平らでやわらかく、少しずつ薄くなっている傷跡なら、紫外線を防ぎ傷跡ケア用品を使いながら経過をみることもあります。自宅でのケアは手術後の傷跡ケアのガイドをご覧ください。
赤みが長引いたり濃くなったりする場合は、レーザーを検討します。血管レーザー(パルス色素レーザー)は血液中の赤い色素をねらって細い血管を減らし、傷跡の赤みを抑えます。文献では、抜糸のころから始める方法も紹介されています。1
甲状腺手術の傷跡に2種類のレーザーを並べて使った韓国の研究があります。30人の傷跡を半分に分け、片側には595nmの血管レーザーを、もう片側には1,550nmのノンアブレイティブ・フラクショナルレーザー(皮膚の表面はそのままに、とても細い熱の柱を密に入れて新しい組織を促すレーザー)を使いました。手術の2〜3週後から4週間隔で3回治療しました。4
傷跡の点数であるバンクーバー瘢痕スケール(色・血管・やわらかさ・高さを点数にした表で、高いほど目立つ)は、血管レーザー側で8.2点から4.7点に、フラクショナルレーザー側で8.0点から4.6点に下がりました。2つのレーザーの間にはっきりした差はありませんでした。患者さんたちは、見た目は血管レーザー側が、触ったときの硬さや厚みの少なさはフラクショナルレーザー側が少し良いと答えました。4 つまり、早めに始めたどちらのレーザーでも傷跡の点数が半分近くまで下がったという結果です。
ただし30人だけの研究で、何も治療しない側との比較はしていません。そのため、自然に薄くなった分がどれくらいかはわかりません。最後の治療から3か月後には、30人中3人に軽い肥厚性瘢痕ができています。4レーザーの間隔や回数の決め方は傷跡レーザーの回数と間隔のガイドにまとめています。
厚く盛り上がった傷跡:注射とレーザーはどう使い分けますか?
傷跡が盛り上がって硬くなってきたら、赤いだけの傷跡より一歩踏み込んで考えます。盛り上がった傷跡には、ステロイド注射(炎症や傷跡組織の過剰な増殖を抑える薬を傷跡の中に入れる治療)がよく使われます。注射は盛り上がった傷跡を平らにするのに役立ちますが、幅を狭めることはできません。また、皮膚が薄くなる、白くなる、細い血管が透けて見えるといった副作用が少なからず報告されているため、量と間隔を調整します。1 シリコンジェルやシートも、傷跡の高さ・質感・色を整えるために使われます。1
レーザーは「赤い」と「盛り上がっている」で、合う種類が少し違います。甲状腺手術の1〜2か月後から3〜4週間隔で4回レーザーを受けた55人の記録を比べた韓国の研究があります。34人はアブレイティブ・フラクショナルレーザー(10,600nmのCO2レーザーで皮膚にとても細い穴を密にあける方法)を、21人はノンアブレイティブ・フラクショナルレーザー(1,550nm)を受けました。どちらのグループも傷跡の点数が改善し、全体の点数に差はありませんでした。ただし、盛り上がりや凹凸の形はアブレイティブで、赤い色はノンアブレイティブで、より改善していました。5
この研究は、赤みが強い場合はノンアブレイティブを、凹凸が目立つ場合はアブレイティブを選んで使った記録を振り返ったものです。無作為に分けた比較ではないため、結果をそのまま一般化するのは難しいです。5 それでも、傷跡のどこを変えたいかによってレーザーを選ぶという原則ははっきり示しています。
前述の1,141人の研究でも、手術後早めに注射やノンアブレイティブ・フラクショナルレーザーを受けた人で肥厚性瘢痕が少なくなっていました。3 傷跡が盛り上がり始めたら、「傷跡が落ち着くまで1年待つ」よりも、その時期に合った治療を早めに相談するほうがよいでしょう。
傷跡がもとの傷の境界を越えて横に広がっている場合は、ケロイドを疑います。ケロイドは切除するだけでは再び大きくなりやすく、肥厚性瘢痕とは計画が異なります。ボニータクリニックでは、ケロイドにはレーザーと注射を組み合わせて治療し、経過をみながら管理します。診療の内容は熱傷・ケロイド治療のページでご覧いただけます。
幅が広がった傷跡:なぜレーザーより縫い直しを先に考えるのですか?
幅が広がった傷跡は、盛り上がりも赤みもないのに、線が広がってしまった傷跡です。治る間に両側の皮膚が引っぱられ、傷跡の組織が広く伸びたものです。このような傷跡で目立つのは、色よりも「幅」です。レーザーは皮膚の表面と浅い層の色や質感を扱い、前述の注射も高さを下げるだけで幅は狭めません。1 こうした理由から、幅が広がった傷跡では、幅そのものをつくり直す傷跡修正(切除して縫い直す手術)をまず検討します。
傷跡修正では、傷跡を紡錘形(両端がとがった木の葉の形)に切り取り、縫い直します。同じ総説は、この方法が皮膚のしわの向きと平行な、落ち着いた幅の広い傷跡やへこんだ傷跡に特に適していると説明しています。切り取る形の長さは幅のおよそ3倍にし、両端は30度以下に細くしてしわの向きにそろえます。こうすることで端が盛り上がらず、周りの皮膚になじみやすくなります。1 甲状腺手術の傷跡はたいてい首の横じわと平行なので、この条件によく合います。
傷跡修正の仕上がりを大きく左右するのは「どう縫うか」です。
- 深い層から縫います。真皮(皮膚の厚い下の層)の深いところを溶ける糸で先に合わせると、傷を開こうとする力をこの層が受け止めます。1
- 表面は細い糸できれいに合わせます。深い層が力を受けているので、表面の糸を長く置かなくてすみ、傷跡の両側にはしごのように残る糸の跡を減らせます。1
- 伸びやすい場所はさらに保護します。首のように伸びやすくよく動く場所では、傷が開かないよう抜糸を遅らせ、抜糸後はテープで傷を支えて保護します。1
知っておきたい点もあります。傷跡修正は傷跡を消す手術ではなく、幅の広い傷跡をより目立ちにくい細い線に変える手術です。1 新しく縫った線も、数か月は再び赤くなったり少し厚くなったりする時期を経ます。術後のケアと、必要に応じて残る色や質感をレーザーで整える段階が続くのはこのためです。
飲み込むと傷跡がへこむ場合:癒着した傷跡は何が違うのですか?
飲み込むたびに傷跡が内側と上に引き込まれ、首がつっぱったり何かが引っかかるような感じがしたりする場合は、傷跡が深い層と癒着している可能性があります。韓国のある研究は、これを「甲状腺手術後の嚥下時変形」と呼びました。傷跡の組織が皮膚から皮下脂肪、筋肉の層を通って甲状軟骨までつながって癒着しているため、飲み込むときに軟骨が動くと皮膚まで一緒に引っぱられるという説明です。6
このような傷跡は、表面の線だけを切り取って縫い直しても、うまく直りません。癒着した帯が皮膚の下の深いところにそのまま残るためです。この研究の18人のうち3人は、以前に皮膚だけを縫い直す修正を受けて、再び引きつれるようになった人でした。6
研究者たちは、皮膚から皮下の層までの傷跡組織を切除し、飲み込むと引っぱる傷跡の帯を切って解放しました。次に広頸筋の弁を持ち上げて、皮膚と深い層の間に仕切りをつくりました。この筋肉の弁をZの形に組み合わせて縫ったのは(Z形成術)、首の中央に筋肉の帯ができるのを防ぐためでした。皮膚はまっすぐ縫い直しています。6 平均11.4か月の経過観察で、引き込みは18人全員で消え、首のつっぱり感も全員で軽くなり、傷跡の点数(バンクーバー瘢痕スケール)も下がりました。ただし2人に肥厚性瘢痕、1人にケロイドができ、追加の治療を受けています。6 18人だけの小さな研究で、研究者自身もより多くの症例が必要だと述べています。
ポイントは、癒着した傷跡では表面の線よりも「下から引っぱるひも」が問題だという点です。1,141人の研究でも、癒着やつっぱりのある傷跡で肥厚性瘢痕が多くみられました。3 したがって、傷跡がくぼんでいたり、飲み込むと動いたりする場合は、レーザーを追加する前に、下との癒着の程度をまず確認します。癒着をはがし、へこんだ部分を埋める方法は、顔のへこんだ傷跡のガイドでも取り上げています。
レーザーと傷跡修正、一目で比べると
ここまでの内容を傷跡のタイプ別にまとめると、次のようになります。
傷跡のタイプ別に先に検討する方法
| 傷跡のタイプ | まず検討 | 注意点 |
|---|---|---|
| 赤い傷跡 | 血管レーザー・ノンアブレイティブ・フラクショナルレーザー | 自然に薄くなることもあり経過もみる |
| 厚く盛り上がった傷跡 | 注射・フラクショナルレーザー・シリコン | 注射は高さを下げるが幅は狭めない |
| ケロイド | 注射とレーザーを併用、切除は慎重に | 切除だけでは再び大きくなりやすい |
| 幅が広がった傷跡 | 切除して縫い直す→残る色・質感はレーザー | 傷跡が落ち着いてから行うことが多い |
| 癒着して引きつれる傷跡 | 癒着をはがし層の間を離す修正 | 皮膚だけ縫い直すと再び引きつれることも |
まとめると、色と質感の問題はレーザーが、幅と引きつれの問題は外科的な修正が中心になります。両方が混ざった傷跡では、ふつう幅と引きつれを先に整え、その後に残った色と質感をレーザーで整える順番で進めます。
いつ始めればよいですか?
治療の時期は、何をするかによって異なります。レーザーや注射のように傷跡の育ち方を変えようとする治療は、早い時期に始めた研究が多くあります。前述の2つのレーザー研究は、手術の2〜3週後、そして1〜2か月後から始めていました。45
一方、切り取って縫い直す手術は、ふつう傷跡が落ち着くのを待ちます。傷跡は12〜18か月かけてしっかりし、正常な皮膚の強さの70〜80%を取り戻します。成熟していない傷跡は厚くなりやすく、この時期に修正すると結果がよくないことがあります。どうしても早く修正が必要な場合、成人では8〜12週を過ぎてからのほうがよいと文献は説明しています。1
手術後、時期ごとにみること
- 抜糸のころ傷の保護・テープ・紫外線対策
- 2週〜2か月赤みや盛り上がりが出たら早めにレーザー・注射を相談
- 8〜12週以降本当に必要なときだけ早期修正
- 12〜18か月傷跡が成熟・幅の広がりや癒着は修正を判断
- その後残る赤みや質感をレーザーで少しずつ整える
手術の傷跡全般の時期の考え方は、手術の傷跡、いつから治療を相談すればよいですか?にもまとめています。
傷跡修正とレーザーのダウンタイムと限界は?
ボニータクリニックで手術後の傷跡を外科的に修復する場合は、局所麻酔または静脈麻酔で行い、入院せずに当日帰宅できます。抜糸はご案内する日に合わせて行います。回復期間と通院の日程は、治療の範囲と個人の状態によって異なります。
レーザーの後は、機器と強さによって一時的な赤み、腫れ、皮むけが出ることがあり、まれに色素の変化が起こることもあります。アブレイティブレーザーを強くかけすぎると、色素が変わったり傷跡がかえって悪化したりすることがあるとも指摘されています。1 ボニータクリニックでは、肌の状態に合わせて機器と設定を決め、施術後のケアもあわせてご案内します。
知っておきたい限界
- どの方法でも傷跡を消すことはできません。目標は目立ちにくい傷跡です。1
- 傷跡修正の後も、新しい傷跡が再び赤くなったり厚くなったりすることがあります。若い年齢、ケロイドの既往、胸骨に近い位置など肥厚性瘢痕ができやすい条件がある場合は、術後のケアをより丁寧に計画します。2
- 深く癒着した傷跡は、皮膚だけを縫い直すと再び引きつれることがあります。6
- 2つのレーザー研究は対象が30〜55人と小さく、どちらも治療しない対照群がありません。30人の研究でも3人は治療後に軽い肥厚性瘢痕ができており、効果の大きさをそのまま期待することはできません。45
- どの手術や施術にも、出血、感染、炎症などの副作用が起こりうること、結果に個人差があることをご理解ください。
甲状腺の治療がまだ続いている場合(定期検査や薬の調整など)は、傷跡治療の日程を、甲状腺の治療を担当する医師の日程と重ならないように合わせるのがよいでしょう。
ボニータクリニックの考え方
実際の治療計画は、対面での診察後に決まります。
ソウルで相談できる首の傷跡の治療
ボニータクリニックは1995年の開院以来、同じ場所でチョン・グァンソプ代表院長(ブラジル形成外科専門医)が診療しています。ソウル地下鉄7号線・論峴駅8番出口から徒歩約100mです。甲状腺手術後の傷跡について、カウンセリングでご相談いただけるのは、診療ページで案内している次の内容です。
- どんな手術をいつ受け、これまでどんな傷跡治療をしたかの確認(他院で手術を受けた場合も含む)
- 外科的な修復:幅が広がった傷跡や凹凸のある傷跡を切除し、層ごとに縫い直す
- 深い組織と癒着した傷跡の解除と、へこみが残る場合の脂肪注入による充填
- 残る赤みや質感に、目的に合わせて組み合わせたレーザー(フラクショナル・CO2・血管・ピコ・高周波マイクロニードル)
- ケロイドには、レーザーと注射治療の併用と経過管理
どれが必要かは診察の後に決まります。詳しくは顔の整形傷跡と顔の陥凹・切開傷跡のページをご覧ください。
なぜ人によって計画と費用が違うのですか?
同じ「甲状腺の傷跡が気になる」という方でも、必要な計画は大きく違うことがあります。計画、つまり費用を左右するのは、傷跡の状態とどこまで治療が必要かです。
- 傷跡のタイプ:赤み・盛り上がり・幅・癒着・ケロイド
- 傷跡の長さと幅
- レーザーのみか、先に切除・縫い直しか
- 癒着の解除や脂肪注入が必要か
- 局所麻酔か静脈麻酔か
- レーザーや注射の見込み回数
対面診察後に最終的な計画と見積もり
最終的な見積もりは、傷跡のタイプ、治療の順番、見込みの回数がはっきりした対面診察の後にご案内します。写真があれば、ご来院を計画する前に選択肢を絞り込む助けになります。
写真でわかること、対面診察が必要なこと
写真は相談の始まりとして役立ちます。位置、長さ、色は写真に写るからです。一方、皮膚の下で起きていることは写りません。
写真・動画でわかること
- 傷跡の位置と長さ
- 赤みとおおよその幅
- 盛り上がって見えるか
- 短い動画:飲み込むと引き込まれるか
対面診察が必要なこと
- 硬さと厚み
- 癒着がどの深さまであるか
- ケロイドか肥厚性瘢痕か(判断が難しい場合)
- 治療後に肌が黒ずみやすいか
- 切除・縫い直しが肌に合うか
役立つ写真:自然光の下でメイクをしない首の正面、少しあごを上げたもの、そして飲み込むと引き込まれる場合は飲み込む瞬間の数秒の動画です。甲状腺手術を受けた時期と、これまでの傷跡治療もあわせてお知らせください。写真とこれらの情報をメッセージでお送りいただけます。
首の傷跡治療のためにソウルを訪れる計画
何回の来院が合うかは、治療計画によって変わります。研究でのレーザーは数週間の間隔をあけて行われ、45 傷跡修正には抜糸とそのための診察が伴います。そのため日程はあらかじめ決まっているものではなく、治療と回復に合わせてカウンセリングで一緒に決めます。相談しておきたい点:
- 傷跡がすでに修正に適した時期か、今の段階では先にレーザーや注射が合っているか
- 修正を行う場合、抜糸の時期と、その後テープでどう保護するか1
- ソウルで修正を受けた後、レーザーを自宅近くで続けるか、再来院を計画するか
- 甲状腺の定期診察は担当の医師のもとで続け、その予定に傷跡治療を合わせること
- 次の来院で比べられるよう、日付入りで傷跡の写真を残しておくこと
帰国後は傷跡を紫外線から守り、赤み、腫れ、痛み、分泌物が落ち着かずに増える場合は、早めに医師に相談してください。
症例写真:首以外の部位の線状の手術傷跡
以下は、ボニータクリニックの傷跡治療のページに掲載している症例のうち、首ではなくおなかに残った縦の手術傷跡2例です。甲状腺手術の傷跡ではありませんが、赤く盛り上がったり幅の広い帯のように残ったりした線状の傷跡をどう見るかの参考になります。治療方法や期間は人によって異なるため、写真に見える様子だけを記しています。結果には個人差があります。

おなかの中央の縦の手術傷跡が赤く厚く盛り上がり、両側に糸の跡が点のように残っていた例

下腹部の中央の縦の手術傷跡が、幅の広い帯のように赤く少し盛り上がって残っていた例
※ 施術前後の写真は個人によって結果が異なります。副作用が生じる可能性があるため、医師と十分にご相談のうえご判断ください。
よくある質問
手術から2か月で、傷跡が赤く厚くなってきました。1年待たなければいけませんか?
そうとは限りません。切り取って縫い直す修正は傷跡が落ち着くのを待つことが多いですが、赤くなったり盛り上がり始めたりした傷跡に、手術の数週後からレーザーを使った研究があります。45 1,141人の研究でも、早めに注射やレーザーを受けた人で肥厚性瘢痕が少なくなっていました。3 傷跡が境界を越えて広がっていないか(ケロイドではないか)もあわせて確認しておくとよいでしょう。
レーザーを何回も受ければ、広がった傷跡も細くなりますか?
レーザーは傷跡の色や質感、高さを整えるのに役立ちますが、開いた幅を再びくっつけることはできません。注射も高さを下げるだけで幅は狭めません。1 幅が問題なら、傷跡を切り取って深い層から縫い直す傷跡修正を検討し、その後に残った色や質感をレーザーで整える順番が一般的です。
傷跡修正をすると、傷跡が長くなりませんか?
傷跡を紡錘形に切り取るときは、長さを幅のおよそ3倍にし、両端の角度を30度以下に細くします。端が盛り上がって残らないようにするためです。1 この結果、幅が広い傷跡ほど、もとより少し長くなることがあります。長さと位置は、首のしわと傷跡の幅をあわせて見ながらカウンセリングで決めます。
飲み込むと傷跡がへこみます。これも治せますか?
傷跡が筋肉の層や甲状軟骨など深い層と癒着していると、飲み込むときに一緒に引き込まれます。この場合、皮膚だけを縫い直しても再び引きつれることがあるため、癒着した帯をはがして皮膚と深い層の間を離す修正が研究で紹介されています。6 まずは癒着の範囲と深さを診察で確認します。
首にケロイドができました。切除すればよいですか?
ケロイドは切除するだけでは再び大きくなることがあります。ボニータクリニックでは、切除する場合でもレーザー・注射治療をあわせて計画し、経過を管理します。ケロイド体質がある場合は、縫うときに傷にかかる張力をできるだけ減らすことも大切だと文献は説明しています。1 ケロイドか肥厚性瘢痕かの見分け方は、ケロイドと肥厚性瘢痕の見分け方ガイドをご覧ください。
カウンセリング前に準備しておくとよいもの
- 甲状腺手術を受けた時期と方法、同じ場所を再手術したことがあるか
- これまでの傷跡治療(シリコン製品、注射、レーザーの種類と回数、最後の治療の時期)
- ケロイドができたことがあるか、ほかの手術の傷跡はどうだったか
- 写真:首の正面、少しあごを上げたもの、飲み込む瞬間(引き込まれる場合は数秒の動画も役立ちます)
- かゆみ、つっぱり、飲み込むときの違和感など、写真に写らない症状
- 甲状腺の治療が続いている場合は、次の検査や治療の予定
診療の流れは顔の整形傷跡と顔の陥凹・切開傷跡のページでご覧いただけます。手術後にできたケロイドや肥厚性瘢痕の診療は、熱傷・ケロイド治療のページにまとめています。
参考資料 (6)
本文の説明の根拠となる資料です。研究結果は一般的な傾向であり、個人の結果を保証するものではありません。
- Garg S, Dahiya N, Gupta S. Surgical scar revision: an overview. J Cutan Aesthet Surg. 2014;7(1):3-13.doi:10.4103/0974-2077.129959傷跡修正の総説(全文):目立ちにくい傷跡の条件(細い線・しわと平行)、伸びやすくよく動く場所での幅の広がりの予防(糸の位置・抜糸を遅らせる・テープ)、傷跡の成熟は12〜18か月(正常皮膚の強さの70〜80%)で成人の早期修正は8〜12週以降、血管レーザーで赤みが減る、ステロイド注射は平らにするが幅は狭めず副作用がある、シリコンの効果、成熟した幅広い・へこんだ傷跡には紡錘形切除(長さ:幅=3:1、両端30度以下)、深い真皮縫合で張力を減らし糸の跡を防ぐ、ケロイド体質では張力を減らす、アブレイティブレーザーの強すぎる照射は色素変化や傷跡の悪化を招きうる、修正は傷跡を消さず目立ちにくくする
- Cho MY, Lee SG, Kim JE, et al. Analysis of Risk Factors to Predict Occurrence and Prognosis of Postsurgical Hypertrophic Scar Development: A Review of 4238 Cases. Yonsei Med J. 2023;64(11):687-691.doi:10.3349/ymj.2023.0003甲状腺手術後に皮膚科を受診した4,238人の後ろ向き解析(全文):肥厚性瘢痕35.3%。多変量解析で、若い年齢、男性(男性を基準に女性のOR 0.562)、高いBMI、目立つ胸鎖乳突筋(OR 2.522)、胸骨上のくぼみから1cm以内の傷跡(OR 4.345)、ケロイドの既往(OR 2.789)が肥厚性瘢痕と関連。胸骨に近い位置とケロイド既往は、治療に使ったトリアムシノロン注射の総量の多さ(平均約4.3mg・23mg多い)と関連。男性の結果は従来の研究と異なり、研究者は首の皮膚にかかる張力で説明
- Shin JU, Park JH, Oh SH, et al. Early intervention in thyroidectomy scars: demographics, symptoms, and prevention. J Wound Care. 2015;24(4):163-171.doi:10.12968/jowc.2015.24.4.163甲状腺手術1,141人の記録(抄録):肥厚性瘢痕13.9%、若い年齢・高いBMI・かゆみ・つっぱり・硬さ・癒着と関連し、早期治療(ステロイド注射やノンアブレイティブ・フラクショナルレーザー)と予防用外用剤の使用は肥厚性瘢痕の減少と関連
- Ha JM, Kim HS, Cho EB, et al. Comparison of the Effectiveness of Nonablative Fractional Laser versus Pulsed-Dye Laser in Thyroidectomy Scar Prevention. Ann Dermatol. 2014;26(5):615-620.doi:10.5021/ad.2014.26.5.61530人のスプリットスカー比較(全文):術後2〜3週から4週間隔で3回、595nmパルス色素レーザー側はバンクーバー瘢痕スケール8.2→4.7、1,550nmノンアブレイティブ・フラクショナルレーザー側は8.0→4.6で有意差なし。患者の回答では見た目は色素レーザー、触感はフラクショナルがやや良好。最終治療3か月後に3人で軽い肥厚性瘢痕。無治療の対照なし
- Jang JU, Kim SY, Yoon ES, et al. Comparison of the Effectiveness of Ablative and Non-Ablative Fractional Laser Treatments for Early Stage Thyroidectomy Scars. Arch Plast Surg. 2016;43(6):575-581.doi:10.5999/aps.2016.43.6.575術後1〜2か月から3〜4週間隔で4回治療した55人の後ろ向き比較(全文):アブレイティブCO2フラクショナル(34人)とノンアブレイティブ1,550nmフラクショナル(21人)で、どちらも改善し全体の差はなし、形状はアブレイティブ、色はノンアブレイティブでより改善、傷跡の特徴で選んだ無作為化していない研究、無治療の対照群なし
- Jeon MK, Kang SJ, Sun H. Platysma Flap with Z-Plasty for Correction of Post-Thyroidectomy Swallowing Deformity. Arch Plast Surg. 2013;40(4):425-432.doi:10.5999/aps.2013.40.4.425甲状腺手術後の嚥下時変形18人の症例集積(全文):傷跡の癒着が皮膚から皮下・筋肉層を経て甲状軟骨まで続き、飲み込むと傷跡が内側・上へ引き込まれる。皮膚だけの修正では不十分(3人は単純な修正後に再発)。傷跡組織の切除と傷跡の帯の切離の後、広頸筋弁で仕切りをつくり、首の中央の広頸筋の帯を防ぐため弁にZ形成術、皮膚はまっすぐ縫合。18人全員で引き込みが消失し、不快感は軽減、瘢痕スケールも低下。肥厚性瘢痕2人・ケロイド1人、平均11.4か月の経過観察
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